車屋の採用を成功させる為には、一緒に働きたくない人はどんな人かを明確にすることも必要です

こんにちは。車屋専門の採用コンサルタント野瀬です。
人材不足はどの業界でも叫ばれていますが、とりわけ自動車業界では整備士や営業マンなどはかなり人材難と言われています。
中古車業界でも、某大手の事件などもあり、イメージ悪化により、働き手が敬遠してしまっています。
そんな状況でも、「人」がいないと会社の繁栄はありません。
なので、人材の獲得はこれから会社が10年、20年と生き続けていく上でもとても重要です。
多くの会社が採用強化をしていると思いますが、その多くは「こんな人材が欲しい!」といったアピールが多いと思います。
確かに、「一緒に働きたい人」を明確に言語化することはとても大切です。
しかし、それ以上に、実は、「一緒に働きたくない人」を明確に言語化することも大切です。
この記事では、あなたの会社が「求める人材」の明確化についてお伝えしたいと思います。
「一緒に働きたくない人」を明確にする理由とは?
「そんなこと言ってしまって大丈夫?」と思うかもしれません。
でも、考えてみてください。
誰でも採用したいわけではない。
どんな人でもいいわけじゃない。
これは、経営者であれば誰しも思っていることだと思います。
どんなに人材が足りていなくても、会社の空気を壊すような人が入ってきてしまったら、今いるスタッフのモチベーションが下がる、離職者が出る、社内の雰囲気が悪くなる、トラブルが増える…。
結局、会社全体の生産性が落ちてしまいます。
それなのに、採用の時には「誰でもいいから来てほしい」と思ってしまっている。
ここが、まず採用がうまくいかない原因の一つなんです。
「求めない人材像」を言語化することで、スタッフが安心する
「うちの会社には、こういう人は来てほしくない」
これをハッキリ言うと、現場のスタッフは安心します。
例えば
・人のせいにする人
・自分だけ楽をしようとする人
・挨拶をしない人
・お客様を軽く見る人
・車に全く興味がない人
こういったタイプの人は、どんなにスキルがあっても、長く一緒にやっていくのは難しいはずです。
だからこそ、採用ページや面接でも、「こういう方は、うちの会社には向いていません」と伝えることで、既存のスタッフも「変な人が入ってこない」安心感を持てます。
これが、定着率アップにもつながります。
採用マーケティングの基本は、「フィルターをかける」こと
今の採用は、「全員にアピールする時代」ではなくなりました。
むしろ、「合う人」にだけ響けばいい。
そのためには、合わない人をちゃんとふるいにかける必要があります。
これが、採用マーケティングの基本の考え方です。
採用は営業と同じです。
「うちの車、誰にでもオススメです!」という販売員と、「この車は、〇〇な人にぴったりですよ」と言える販売員、どちらが信頼されると思いますか?
もちろん後者です。
採用でも同じです。「うちはこういう会社。だからこういう人に向いている。
逆に、こういう人は合わないかもしれません」と言えることが、信頼につながります。
応募者にとっても、「自分に合っているか」が判断しやすくなります。
ミスマッチも減り、採用後の定着率も上がっていくわけです。
関連記事:なかなか採用できない車屋は求人を出す前にどんな人材が欲しいのかを言語化すること
自社の「価値観」とズレる人は、いずれ辞めてしまう
実際、「価値観が合わなかった」という理由で辞めていく人はとても多いです。
これは、スキルや経験よりも根深い問題です。
たとえば、会社が「お客様第一主義」でやっているのに、「売れればそれでいい」と思っている人が入ってきたらどうなるか。
最初のうちはうまくやれても、少しずつ溝ができ、いずれ大きなズレとなって、退職につながります。
だからこそ、スキルや資格よりも「価値観が合うかどうか」を重視するべきです。
そして、その価値観を明文化し、「それに共感できる人だけ」に来てもらう。
そのためには、「共感できない人」「価値観がズレている人」に来てもらわないよう、しっかりフィルターをかける必要があるのです。
求める人物像と、求めない人物像はセットで伝える
ここまで読んでいただければ、「求めない人物像」を明確にすることの重要性は伝わったと思います。
しかし、ただネガティブなことを言うだけでは意味がありません。
大切なのは、「求める人物像と、求めない人物像をセットで伝える」こと。
例えば、下記のような感じです。
うちの会社で活躍しているのは、こんな人です。
・挨拶がしっかりできる
・お客様のことを第一に考えられる
・チームワークを大切にできる
・車が好きで、成長意欲がある
逆に、こういう方は、正直に言うと合わないと思います。
・自分だけよければいいと考えている人
・ミスを人のせいにする人
・ルールを守れない人
・お客様に対して横柄な態度をとる人
このようにセットで書くことで、応募者は「自分はどちら側だろう」と自然に考えます。
そして、求めていないタイプの人は自分で離脱してくれる。
この「自己選別」が、今の採用にはとても大事なのです。
「人が足りない」からこそ、妥協してはいけない
「でも、そんなに絞ったら誰も来ないんじゃない?」そう思う方もいるかもしれません。
確かに、短期的には応募者が減るかもしれません。
しかし、数を集めても、続かない人ばかりでは意味がありません。
一緒に長く働ける人を採用する方が、結果的にはコスパも、組織力も上がります。
「今だけ人が欲しい」のではなく、「10年後も一緒に働ける人を見つける」。
この視点を忘れないでください。
採用の最初に「線引き」をする勇気を
採用活動を成功させるには、「誰でもいい」からの脱却が必要です。
・誰と働きたいか
・誰とは働きたくないか
この2つを明確にすることで、初めて「本当に合う人材」を見つけることができます。
「そんなこと書いたら応募が減る」と不安になる気持ちもわかります。
でも、本当に採用で苦労している会社は、来る人の数ではなく「続く人がいないこと」に悩んでいるはずです。
だからこそ、最初に「線引き」をする勇気を持ちましょう。
その結果、応募者は少し減るかもしれません。
でも、あなたの会社に本当に合う、長く働いてくれる人と出会える可能性は、確実に上がります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
