車屋の採用が失敗する本当の理由〜求人広告に100万円使っても人が集まらない社長へ〜

「また今月も求人広告費で50万円が消えた…」
あなたも同じ思いをしていませんか?
求人サイトに掲載料を払い、人材紹介会社に成功報酬を支払い、それでも良い人材が集まらない。やっと採用できたと思ったら、3ヶ月で辞めてしまう。
私も中古車販売店を17年間経営する中で、全く同じ経験をしました。月に100万円近く採用費用をかけても、満足のいく結果が得られない日々が続いたのです。
なぜ車屋の採用はこんなに難しいのか?
理由1:業界のイメージが先行している
正直に言います。自動車業界、特に中古車業界は「きつい」「ノルマが厳しい」「体育会系」というイメージが根強く残っています。
さらに、ビッグモーター騒動で明るみになった数々の悪事や自動車メーカーの改ざん・隠蔽など、車業界全体の信頼はもはや地に落ちているといっても過言ではないでしょう。
求職者は求人票を見る前に、すでに「大変そうな仕事」「お客を騙す悪い業界」という先入観を持っているのです。だから、どんなに給料を上げても、福利厚生を充実させても、根本的な解決にはならないのです。
理由2:「何でもできる人」を求めすぎている
「営業もできて、整備の知識もあって、ナビの取り付けも出来て…」
このような理想の人材を求めていませんか?でも考えてください。そんな完璧な人材がいたとしても、なぜあなたの会社を選ぶ必要があるのでしょうか?
理由3:会社の「想い」が伝わっていない
これが最も大きな問題です。
求人票には「月給25万円〜」「インセンティブ有り」「20代で月収50万円も可」「社保完備」といった条件面ばかりが並んでいませんか?でも、条件だけで人は動きません。特に長く働いてくれる人材は、お金以上に「この会社で働く意味」を求めているのです。
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私が採用で大失敗した実体験
恥ずかしい話ですが、私は過去に採用で大きな失敗を何度も経験しました。
人手不足で焦っていた時期、条件面だけを前面に出した求人広告を出しました。「未経験OK」「高給与」「アットホーム」といった、今思えば中身のない文言ばかりです。
その結果、確かに応募は来ました。でも採用した5名のうち、3ヶ月以内に4名が退職。残った1名も半年後には辞めてしまいました。
採用費用だけで300万円。教育にかけた時間と労力を考えると、実際は1,000万円ほどの損失です。本当に痛い経験でした。
転機となった「想い」を伝える採用
その後、私は採用方法を根本的に変えました。
条件面のアピールをやめ、「なぜこの仕事をするのか」「お客様にどんな価値を提供したいのか」という会社の想いを前面に出すようにしたのです。
例えば、こんな感じです:
「私たちは単なる車の販売店ではありません。お客様の人生に寄り添う、移動のパートナーでありたいと考えています。初めて車を買う学生さんの緊張した表情が、納車の時には満面の笑みに変わる瞬間。家族が増えて車を買い替える時の、お父さんの嬉しそうな顔。そんな瞬間に立ち会えることが、私たちの最大の喜びです。」
「想いを伝える採用」の驚くべき効果
この方法に変えてから、応募者の質が劇的に変わりました。
応募数は以前の半分に減りましたが、面接に来る人たちの目つきが全く違うのです。お金目当てではなく、本当に「この会社で働きたい」と思ってくれる人たちが集まるようになりました。
そして何より、定着率が格段に向上しました。
明日からできる4つの改善ポイント
1. 求人票から条件面を3分の1に削る
「月給○○万円」「賞与年○回」「インセンティブ」といった条件面の記載を最小限に留めましょう。その代わりに、会社の理念や想いを書くスペースを作ってください。
2. 「なぜこの仕事をするのか」を明確にする
お客様とのエピソードや、仕事を通じて得られる喜びを具体的に書きましょう。抽象的な言葉ではなく、実際に起きた出来事を交えることが重要です。
3. どんな人に来てほしいのかハッキリ伝える
誰でも良いから来てほしい、というスタンスではミスマッチが多発し、理想の人材を獲得することはまず出来ません。こちらの希望を書いたら応募が来なくなってしまうのでは…と怖がらずにハッキリ伝えましょう。
4. 社長の「想い」を前面に出す
なぜあなたがこの事業を始めたのか。どんな会社にしたいのか。社長の率直な想いを書いてください。良いことだけではなくて、キツイこと大変なことも正直に伝えることが大切です。それに共感してくれる人こそ、長く働いてくれる人材です。
最後に
採用の成功は、テクニックや条件面だけでは決まりません。大切なのは、「この会社で働きたい」と心から思ってもらえる想いを伝えることです。
過去の私と同じように採用で苦労している車屋の社長さんたちへ。お金をかけることが採用成功の秘訣ではありません。あなたの会社の想いを正しく伝えることが、最も確実で効果的な採用戦略なのです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。