ディーラー若手営業の採用を成功させるには?Z世代が応募したくなる求人の作り方

はじめに|若手営業の採用がうまくいかない理由とは?
こんにちは。自動車業界専門の採用コンサルタント野瀬貴士です。
「20代の営業職がなかなか集まらない」「応募が来てもミスマッチが多い」
こうした悩みを持つ自動車ディーラーの採用担当者は多いです。
特に今の若手、いわゆるZ世代(1996年〜2012年生まれ)は、従来の求人広告では響かない傾向があります。
「やる気」「稼げる」「成長できる」といったワードは、かえって敬遠されることさえあります。
本記事では、Z世代が応募したくなる求人の作り方と、新車ディーラー・カーディーラーで若手営業を採用成功させるポイントを、構造的にご紹介します。
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Z世代の価値観を知らずして、ディーラー営業の採用成功なし
Z世代の傾向として、次のような特徴が挙げられます。
- SNSネイティブで「共感」「透明性」を重視する
- 会社選びの軸は「働く人」「風土」「成長環境」
- 一方で安定志向も強く「無理なく長く働ける環境」を望む
- 「評価されたい」よりも「貢献感」「納得感」を求める
つまり、「どんな人とどんな雰囲気の中で、どんな目的に向かって働けるのか?」を明確に伝えることが最重要となります。
これは特に、新車ディーラー業界の営業職においては大きな差別化ポイントとなります。
若手営業の採用に効く!Z世代向けディーラー求人設計の5つのポイント
① キャッチコピーは“共感+安心感”で勝負
求人の冒頭キャッチコピーは、Z世代の関心を惹く第一関門です。
【NG例】
- ガッツがある人歓迎!
- 稼げる!未経験でも年収1,000万!
- 夢を追う若手を応援!
【OK例】
- お客様と“ありがとう”を交わす営業。売るより信頼が大切な仕事です
- 飛び込み・テレアポなし。じっくり関係を築く営業スタイル
- はじめての社会人も安心。20代の先輩が丁寧にサポートします
新車ディーラーのように、お客様との信頼関係を重視する営業職では、“売る”というより“寄り添う”姿勢が伝わる表現が重要です。
② ビジュアル訴求:社員の顔が見える採用サイト・SNSを活用
Z世代は「誰と働くか」を非常に重視します。
そのため、実際に働いているディーラー社員の写真・動画・インタビューを豊富に掲載することが効果的です。
特に「同世代の社員がどう感じているか」「ディーラー内のリアルな雰囲気」が伝わるコンテンツが響きます。
おすすめコンテンツ例:
- 20代営業社員の1日のタイムスケジュール
- 「この会社を選んだ理由」「入社後のギャップ」などのインタビュー
- XやInstagramで“ディーラー営業のリアル”を発信
ディーラー営業=体育会系、というイメージを払拭できれば、応募率が大きく上がります。
③ 求人情報に“文化・風土”をしっかり明記する
「年収例」「休日数」「インセンティブ」も重要ですが、Z世代に刺さるのは企業文化・人間関係・働き方の考え方です。
求人原稿に必ず入れたい項目:
- 上司や先輩のサポート体制(どこまで教えてくれるか)
- チーム営業か個人プレーか
- ノルマの有無や評価の仕組み
- 社員同士の距離感(上下関係が厳しい?フラット?)
特にディーラー営業では、「個人の裁量があるか」「お客様との関係性をどう築いているか」といった点も詳しく記載すると効果的です。
④ 求める人物像は“人柄・行動ベース”で表現する
「体育会系歓迎」「営業経験者優遇」などのフレーズは、若手未経験者には心理的ハードルになります。
代わりに、以下のような表現を使いましょう:
- 人と話すことが苦にならない方
- お客様との会話を楽しめる方
- 丁寧に物事を進めるのが好きな方
- わからないことを素直に質問できる方
新車ディーラーのような営業現場では、こうした素直さや誠実さが大きな武器になります。
“完璧じゃなくても大丈夫”というメッセージを込めることで、応募の一歩を踏み出しやすくなります。
⑤ オンライン応募・LINE対応で応募ハードルを下げる
応募手段にも気を配りましょう。
Z世代は「手軽に応募できるか」を非常に重視します。
- スマホで3分以内に完了するエントリーフォーム
- LINEでの応募・質問受付対応
- 面接前に“カジュアル面談”を用意する
こうした仕組みを整えることで、「気になっているけど不安…」という層を取りこぼさずにすみます。
ディーラーとしての温かさや誠実さが伝われば、他社との差別化にもつながります。
採用成功事例:あるディーラーが20代営業職の応募を2.7倍にした工夫とは?
関東圏にある中規模の新車ディーラーでは、Z世代の応募獲得に課題を感じていました。
そこで以下の施策を実施したところ、わずか半年で応募数が2.7倍に増加。
実施した取り組み:
- 採用サイトに「20代ディーラー社員のリアルボイス特集」を新設
- 既存社員のSNS投稿を週1で発信(会社公認)
- 求人タイトルを「売る営業」から「寄り添う営業」へ変更
- 初回面談は“私服OK・カフェで雑談”スタイルに
応募だけでなく、内定辞退率が低下し、定着率も向上。
「自分に合ってると思ったから」という入社理由が増えたこともポイントです。
まとめ:Z世代には、“ディーラーの人と環境のリアル”を伝える
若手営業の採用を成功させるためには、「応募数を増やす」だけでなく、「応募の質と定着率」を意識する必要があります。
そのためには、次の3つが鍵です:
- 共感と納得を生む求人づくり(誠実・リアルな言葉)
- 誰とどんなふうに働けるかを“見せる”工夫(写真・動画・SNS)
- Z世代の不安を解消する応募導線・選考プロセスの整備
Z世代はシビアですが、本質に共感すれば驚くほどロイヤルな社員になります。
その第一歩は、「新車ディーラーとしてのリアルな情報開示」から始まります。
最後までお読みいただきありがとうございました。